読売新聞による「教育ルネサンス ことばの授業」
「今日は、ある事件の映像を持ってきました。それを見て記事を書いてもらいます」「えーつ、無理!!」「難しそう!!」
読売新聞東京本社がNPO法人企業教育研究会と協力して実施する「教育ルネサンス ことばの授業」の基本プログラムの一つ「記事を書こう!」の一幕だ。
この「教育ルネサンス ことばの授業」は、子どもたちのコミュニケーション能力をのばすことを目的として、読売新聞の記者が全国の学校を訪れ、インタビューや記事づくりなどの授業を行っている。
新聞記者が「プロの技」を見せる
授業では、同社の記者が、NPOのスタッフとともに授業を進行する。中でも記者がその場で記事を作成していく場面は、授業のハイライトのひとつだ。
事件の映像で得た情報をもとに、必要な情報をスタッフに質問しながら、記事を作成する。作成する様子は、パソコンの画面をスクリーンに映し出して見せていく。子どもたちは、まず記事を書くスピードに圧倒される。記者は数字をしっかり確認したり、書いた記事を見直して文章を入れ替えたりしていく。記者の「本気」に触れることがこの後の子どもたちの記事の書き方につながっている。
記事を書いてみよう!
記者の技に触れ、記事を書くコツをまとめた映像を視聴した後は、いよいよ子どもたちが事件の映像を見て記事を書く番だ。メモをとって、記事を書くために必要な情報は何かを考える。足りない情報や聞き逃した内容は、スタッフにインタビューしていく。子どもたちは真剣だ。「間違えても消しゴムで消さず隣に書く」「間に言葉を入れるときも記号を使う」など、記者から具体的なアドバイスを受けながら書いていく。記者が教室を回り、子どもたちが書いた記事のいくつかをピックアップしてみんなで見る。自分の記事と見比べながら、表現や語尾の使い方などの違いを見ることができる。
「なかなか文章を書けない子が、原稿用紙半分くらいまで書いたので驚いた」「普段は教室にもいられない子どもが一生懸命メモを取り、インタビューし、記事を書いていた」プロと触れ合いながら、短時間で実用的な文章の書き方を学ぶ効果は高い。