日本アイ・ビー・エムのエンジニアーズ・ウィーク「ROBOLAB教室」
技術者の仕事について楽しみながら学ぶ授業が、墨田区立第一寺島小学校6年生約60名を対象に実施された。墨田区教育委員会が、本年度から学校・家庭・地域が一体となって地域ぐるみで子育てを行う体制を整備する目的で開始した「学校支援ネットワーク事業」の一環で、地域コーディネーターと日本アイ・ビー・エム株式会社(以下IBM)が連携。
IBMが幕張、大和、箱崎の各営業所に社内コーディネーターを置き、理系の仕事への興味・関心をもってもらうことを目的に社員が自主的に活動している「EWeek(エンジニアーズ・ウィーク)」の中の、ロボットを製作して体験する授業「ROBOLAB教室」が行われた。
ロボットを組み立てて動かしてみよう
授業の最初は、IBMの社員がエンジニアの仕事について紹介。実験を行って、検証を繰り返して目標に到達するという作業が、世の中のさまざまな技術や製品を生み出していることを伝えた。
そして、ここからはグループごとに社員の助言を受けながら体験を行う。まずは同社が提供するWeb上の科学館「TryScience(トライサイエンス)」でプログラミングと動作の関係を学習する。次に、教材用レゴ・マインドストームを組み立て、自動車型のロボットを製作する。動きを制御するソフト「ロボラボ」を使い、基本的な動作を確認。モーターの回転方向、回転数、回転時間をプログラミングすることで、自在に操るための練習をする。
動きを考えながらプログラミングしよう
動作の基本を確認したら、あとは試行錯誤を繰り返す技術者の真髄を体験。床に貼ったビニールテープで設置されたコースをはみ出さないように動かすチャレンジの時間だ。仮説を立ててプログラミングして、コースを走らせて検証。はみ出した場合には原因を考え、回転の方向や数、時間を増減させて再度プログラミングを行って検証する。はじめは直線が中心だったコースも、だんだん曲線が増えて難易度があがる。
考え抜いて一つの課題をクリアするたびに、歓声が起きる。なんとか成功させようと、必死になって考え、検証する。気がつけば、算数や理科が得意な児童から苦手な児童まで、誰もが技術者の眼になっていた。
最後に分解して、片づけをしてから感想を共有して、4時間のプログラムは終了。参加した児童からは「何回も失敗したが、あきらめないで成功できたことが貴重な体験になった」「みんなで協力して走り切った時は、すごくうれしかった」と感想が出ていた。
EWeekは昨年、延べ約350人の社員ボランティアが50回以上の授業支援に参加。IBM社会貢献部の横田由美子さんは「これからも社員ボランティアを通じた教育支援活動を継続していきたい」と話す。