横浜市、日本IBM他が連携した環境の授業 行政と企業、NPOが協働
横浜市立上川井小学校の5年生と6年生を対象に、環境問題に関する授業が3回にわたって実施された。
1回目はIBMが開発した「Power Up」というシミュレーションゲームで風力発電の仕組みを学習。ゲームの後は、小型風力発電機の羽根を設計・作成し、発電・自動車レースを開催。最後にIBMの社員が登場して、エンジニアの仕事について紹介。環境問題に取り組む動機づけを行った。
「データ見える化」で実態把握から行動へ
2回目は、早稲田環境教育推進機構(以下We)が講師として登場。「学校の省エネを考えよう」と題した授業では、最初に自転車発電機で電力消費量を体感。学校の中で電気がどこでどれだけ使用されているかを予想した後、実際に使用されている場所や消費量の実態をグラフで把握して、効果的な省エネ方法を学んだ。授業後は、省エネ方法を実践。Weと株式会社早稲田環境研究所などが共同で開発したプログラムを使い、生徒たちの環境配慮行動の取り組みを1カ月にわたり記録した。
3回目の授業では、ワークシートと記録データでこの1カ月の環境配慮行動を振り返り、どこまで省エネできたかの結果を発表。最後に横浜市地球温暖化対策事業本部の伊藤課長補佐が、市の取り組みや今後の地球温暖化対策について紹介。「未来を支えるのは君たちです」とのメッセージが子どもたちに送られて、授業は終了した。
多様なプログラムを提供
横浜市では企業と連携した学校教育として2009年11月よりIBMとの教育協業を試行。IBMは企業と連携した授業開発を専門とするNPO法人企業教育研究会やWeなどの協力を得、「Power Up」などのIBMが全世界で展開している教育支援プログラムを活用して、市内小中学校に合わせた環境、英語、理科、キャリア教育を授業提供。延べ20名の社員ボランティアが経験や業務スキルを生かして授業を支援した。
「どの授業においても、子どもたちが非常にいきいきと参加していました。学校での学習を日常生活や社会とより結びつけることができたと思います。」(横浜市教育委員会 三宅一彦首席指導主事)