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アニメーターの仕事を体験!

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練馬区「アニメ産業と教育の連携事業」

 アニメの街・練馬で働くプロの仕事を教材に―。練馬区では平成21年度から「アニメ産業と教育の連携事業」を行っている。今年度も、区内の小中学校でアニメの仕事を題材にした授業が行われている。昨年11月、練馬区立富士見台小学校の6年生を対象に、東映アニメーションで原画を担当している青山充さんとNPO法人企業教育研究会の大学生スタッフが、アニメーターの仕事について授業を実施した。

教室の中に仕事場を再現

 青山さんは「プリキュアシリーズ」など、数多くの作品の原画を描いてきた。家庭科室の机には、その制作現場が再現される。実物投影機で手元を映し出すと、青山さんが鉛筆1本でアニメの登場人物の下絵をあっという間に描き上げる。横を向いた上半身と正面を向いた上半身の2枚を重ね、パラパラと動かしながらアニメの仕組みを解説する。
 次に、1本のアニメが出来るまでの作業工程を紹介。何人もの人が描いても同じ絵になるように基準が決められたキャラクター表や、青山さんの実際の仕事場の写真などを画面で映し、何気なく見ている作品にも多くの人が協力して制作していることを知る。

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原画の「中割り」をやってみよう!

 そして、テレビで放映されたアニメの一場面の絵コンテが配布された。完成した映像と比較しながら、どうやって原画を描いていくか、その前後の工程はどうなっているかなどを説明。実際に青山さんが描いた原画をパラパラ漫画のように画面に投影すると、カクカクとはしているものの、完成版の動きになっていることがわかる。「これをもっとスムーズに見えるように、間に絵を入れていきます。これは動画マンの仕事ですが、今日はみなさんにその「中割り」を体験してもらいます」と、青山さんが用意したパンダの原画2枚を配布。その間のコマの絵を描き、パンダがスムーズに動くようにすることが目標だ。
 透ける紙に絵を写しながら、少しずつ動きを変えて描いていく子どもたち。何人かの作品はその場でスキャンしてPCでパラパラ漫画のように動かし、青山さんが講評を行った。
 最後に「35年もこの仕事を続けられたのは、信頼できる仲間がいたからだと思います。自分が懸命に仕事をすれば、その姿を見て初めてお互いに信頼関係が生まれます。この仕事を続ける限りは、その気持ちを忘れないようにしたいです」とメッセージを送り、45分の授業は終了した。

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