川崎市・市内企業研究開発成果理解促進活動支援事業
11月17日、川崎ものづくりブランド認定製品であるドライアイスブラスト洗浄機「スーパーブラスト」を活用した出張授業「×××でエコ洗浄!!~状態変化の秘めた力~」が、川崎市立西生田中学校のふれあい講座で実施された。
物質の状態変化が活用された洗浄機
この日の講師は、協同インターナショナルの湯川弘之さん。最初に会社紹介を行った後、テーマである「洗浄」について解説する。家の掃除もさまざまな道具を使って行っているように、産業界でも用途に合わせて数多くの洗浄方法が求められている。精密機械に使われている部品を洗浄するためには、ダメージがなく、なるべく廃液が出ないようにすることが必要だ。
そこで使われている物質は、ドライアイス。細かく砕かれたドライアイスを洗浄したいものにぶつけると、その温度―79度からマイクロクラックという微細な亀裂が発生する。同時に、ドライアイスは固体から気体へと一気に昇華し、その際体積が780倍に膨張する。そのエネルギーを利用して汚れやごみを剥離することができるのだ。理科で学習する「物質の状態変化」の原理が利用されている。
仕組みを理解した後、生徒にはドライアイスの細かい粒が入ったビニール袋が手渡される。何回か振ると、ドライアイスが昇華して二酸化炭素となり、膨張することを実験で体感する。そして、ドライアイスブラスト洗浄機の実演だ。鉄板に油性のマジックペンで塗りつぶされた部分が剥離され、きれいになる様子に驚きの声が上がった。
廃棄物や廃液がほとんど発生しないドライアイス洗浄は、原料も化石燃料を燃やした際に発生する排気ガス等大気中の二酸化炭素を利用するため、環境にも優しいことが湯川さんから説明されると、最後に課題が与えられた。これらの特徴を備えたドライアイスブラスト洗浄機の新しい活用法について、中学生の視点からアイディアを考えて、50分間の授業は終了した。
理科の学習内容が製品に応用される
川崎市の「市内企業研究開発成果理解促進活動支援事業」として開催されたこの授業は、市内の企業が、川崎市、株式会社ぎょうせい、NPO法人企業教育研究会と協働してプログラムを制作する。今年度は協同インターナショナルの他に、市内の企業2社がその製品の特長を生かした授業を行うことが予定されている。
この授業に関する問い合わせは、川崎市経済労働局産業政策部企画課(電話044・200・3714)まで。