三井物産による授業
「今の勉強と将来のことがつながる感じがしました」「勉強だけなく部活も将来につながるんだなぁと思いました」と感想を語る子どもたち。
企業の協力を得てキャリア教育を実施
神奈川・横浜市立奈良中学校2年生での授業の様子だ。この授業は、同校のキャリア教育の一環として、三井物産(株)の協力の下、行われた。同社の社員15名が来校し、7クラスに2名ずつ入って授業が行われた。今回はその様子を取材した。
商社の社員が自らの経験を紹介
全2時間の授業では、最初に企業側のコーディネートを行った同社の川島康敬氏から仕事内容について説明。その後、同社の社員2名が1時間ずつ交代で授業を行った。6組では、卵の流通にかかわる食料部の佐伯寿子氏と、人事総務部の加藤達也氏が授業を行った。
1時間目の授業では、製品と原料について考えさせた後、卵の流通について生徒に紹介。養鶏場や検査の様子、さらに卵を割って液卵にしてマヨネーズの原料になるまでをスライドで紹介した。さらに、新聞の鶏卵相場を見ながら、月別グラフを分析させた。「暑くなると値段が下がる」「サイズによって値段が違う」と分析する生徒たち。佐伯氏は相場変動の理由と自らの仕事のやりがいを最後に伝え、授業を終えた。
2時間目の授業では、採用の仕事をしている加藤氏が、自分の中学時代から就職までの道のりを紹介。中学で将来について迷ったことや、大学のボート部での活動などを紹介し、「中学の時にこんな仕事をするとは思っていなかったが、部活動で経験した『何かを成し遂げたい』という思いが今の仕事に生きている。今はつまらないと思っていることも、必ず将来につながっている」とメッセージを送った。
そのほかのクラスでは、橋の設計にかかわる話や、大豆の輸入にかかわる話など、さまざまなテーマで授業が行われた。
仕事の話はキャリア教育につながる
授業を受けた生徒は「ものをつくるためには、その前にたくさんの過程があることを改めて感じました」「勉強だけではなく、今の部活も将来につながっているのかなと思いました」と感想を話した。
また、学校側で授業のコーディネートを行った学年主任の北村裕明教諭は「普段聞くことができない話を生徒が目を輝かせて聞いていたのが印象的だった。仕事のことについて生き生き話す大人をみて、働くことについて考えてもらえれば」と取り組みを評価した。