地域自律・民間活用型キャリア教育プロジェクト(4)
「ゲームに関数が使われているとは思わなかった」「キャラクターの動きを考えたので、とても面白かった」
企業の協力による授業
千葉県木更津市の中学校2年生での授業の様子だ。この授業は、経済産業省「地域自律・民間活用型キャリア教育プロジェクト」の一環として、NPO法人企業教育研究会がコーディネートを行い、(株)ソニー・コンピュータエンタテインメントの協力の下、行われた。授業内容は数学の「関数」。今回は、その単元の導入の授業を取材した。
テレビゲームって何で動いているの?
授業の導入では、実際のテレビゲームの画面を見せ、テレビゲームはプログラミングで動いていることや関数が使われていることを紹介。さらに、テレビゲームのキャラクターを使用したFlash教材を活用し、生徒がその場で指定した数字を入力すると、キャラクターの大きさが変化したり、移動したりする様子を紹介した。
また、ゲーム画面を動き回るサルを見せながら、「実は、これ、一定の決まりで動いているのですが、どんな決まりか分かりますか?」と質問し、生徒に分かりやすいように、動いているサルに足跡(軌跡)を付け、背景を座標平面に切り替える。すると、生徒からは「あ、比例だ!」「Y=X!」という声が上がった。同様に、反比例や1次関数を、実際のキャラクターの動きで紹介した。
バナナを取るための関数を考えよう!
授業の後半では、生徒が、座標平面上に置かれたバナナをたくさん取るための関数を考えた。平面上にはバナナだけでなく、キャラクターの進行を邪魔する大きな石も置かれているため、生徒は工夫しながら関数を考えていく。生徒が考えた関数は、実際にキャラクターを動かして確認をした。
また、授業の最後には、実際のゲームのプログラマーがビデオで登場し、ゲームのプログラミングには中学や高校の数学・物理がとても役に立っていることを紹介した。
授業を担当した同法人の大高健さんは、「数学は身近なところで使われているけれど、生徒は気付かないことが多い。今回のように、生徒が興味を持ちやすいゲームを題材にすることで、数学を身近に感じてもらえれば」と話した。