ソニー・コンピュータエンタテインメントによるキャリア教育
「普段遊んでいるゲームをつくるのに、たくさんの人がかかわっているんだなと思った」「ゲームクリエイター以外の仕事を知ることができて勉強になった」
ゲーム会社ではたらく人たち
東京都内の中学校3年生での授業の様子だ。この授業は、NPO法人企業教育研究会が企画し、(株)ソニー・コンピュータエンタテインメントの協力の下、行われた。授業内容は「ゲーム会社ではたらく人たち」。職業観や勤労観をはぐくむキャリア教育の一環として行われた。今回は、その授業の様子を取材した。
ゲーム会社=ゲームクリエイター?
授業では、同社渉外部の佐伯千絵さんとNPOスタッフが学校を訪れ、ゲーム制作にかかわるさまざまな仕事を、クイズ形式の教材ビデオで紹介。例えば、ゲームのプログラミングを担当する方は、「私は、ゲームソフト『サルゲッチュ』シリーズにかかわって、毎日数式をよく使う仕事をしています。さて、私の仕事は何でしょう?」とクイズを出題し、生徒に考えさせた。同様に、宣伝や営業、プロデューサー、お客様相談もそれぞれの仕事についても、クイズ形式で紹介した。
仕事の内容を見てみよう
授業の後半では、それぞれの仕事の内容についてビデオ教材で紹介。プログラマーの仕事では、「プログラマーは、数式やプログラム言語を使って実際にゲームを動かす仕事です。中学校であれば関数だとか、高校であれば、代数幾何、ベクトル、行列などをよく使います」。「数学はあまり得意ではありませんでした。でも大好きなゲームをつくる仕事に就くために勉強しました」とプログラマー自身が説明。さらに、「ゲームをつくりたいということ=ゲームばかりやる、ということでありません。ゲームをしたらスポーツをするとか勉強をするというバランスが大切です」と中学生にメッセージを送った。
広い職業観を持つことが大切
授業を終えた子どもからは、「こんなにたくさんの人がかかわっていることに驚いた。ゲームを考えるだけでなく、ゲームをプログラミングしたり、宣伝したりする仕事もいいなと思った」と感想を語った。また、授業を担当した同法人の阿部学さんは、「ゲームの仕事は子どもたちに人気の高い仕事だからか、反応が良かった。ゲーム会社ではたらく人たち=ゲームクリエイター=ゲーム大好きというだけでない幅広い職業観を持ってもらうことができれば」と語った。