ソニーによる理科の発展学習指導
「光や音の仕組みを身近に感じられた。」「大好きな音楽に関わる技術とその仕事に興味がわいた。」
ソニー株式会社(以下、ソニー)とNPO法人企業教育研究会(以下、企業教育研究会)が連携した理科の授業を受けた中学生の感想だ。この授業は、CDなどの開発に携わった技術者とNPOのスタッフが進行する。
アナログ録音を体験しよう
授業の最初は、レコードとCDによる音楽の聴き比べ。2つの違いはどこから来るのか、アナログとデジタルの違いを体験するところからスタートする。次に、レコードの仕組みを利用しているエジソン式コップ蓄音器を使って、アナログ方式の録音を体験。ことばを発したり、歌を歌ったりして、録音を試みる。再生した音には途切れや乱れがあるが、それでも苦労して録音を試みた音が出るとあちこちで驚きの声があがった。
デジタル方式と音の仕組み
次に、CDの誕生とその技術的な内容について、ソニーの技術者が解説。音は空気中を振動する縦波であることや、その波を記録する方法がアナログのレコードとデジタルのCDでは違っていることを説明。そして簡単な読み取り装置を使った手づくりCDキットを使用して、デジタル方式を理解する。
また、CDに記録されている音楽信号のビット数をサウンドレコーダーで上下させると、表現できる音の幅などが変化することを実際に体験する。
CDからブルーレイへ 技術者の仕事とは
さらに、CDからDVD、ブルーレイディスクへと発展した現在の、それぞれの技術の違いが、読み取る光の幅とそれに伴う1枚に記録できる凸凹の数の違いにあることを知った上で、理科で学ぶ内容が身近な商品やその発展に利用されていることを知る。
授業の最後では、講師が自らの仕事内容と人生を紹介する。技術者の仕事内容だけでなく、開発の裏話ややりがいを話し、「覚えることは苦手だったが、興味を持ち続ければ大丈夫。ぜひ理科やものづくりに興味を持ってほしい。」とメッセージを送った。