ソニー・コンピュータエンタテインメントによる物理の授業
「ゲームに物理計算がとても活かされていることに驚いた!」「物理は好きだが仕事に活かせるとは思わなかった!」
企業の協力による授業
東京都内の中学校1年生での授業の様子だ。この授業は、株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント(以下、SCE)とNPO法人企業教育研究会が共同で実施している「ゲームを題材とした授業」の一環だ。
授業内容は「ゲーム制作と物理の意外な関係」。子どもたちにとって身近なゲームを題材とし、理科、特に中学校1分野「運動と力」を学習する。同社渉外部の佐伯千絵さんと「みんなのGOLF」プロデューサーの池尻大作さん、NPOスタッフが授業を行った。今回は、その授業の様子を取材した。
ゲーム画面のどこに物理が使われているの?
授業の前半では、実際に「みんなのGOLF5」のゲーム画面を見せ、ゲームはプログラミングで動いていることを紹介。さらに、ゲームのキャラクターを使用したFlash教材を活用し、生徒がその場で指定した数字を入力すると、キャラクターの大きさが変化したり、スイングしたりする様子を紹介した。
また、ゲーム画面を見せながら、「実はこれ、さまざまなところに物理が使われているのですが、どんなところに使われているか分かりますか?」と質問。ボールの転がり方や飛び方、さらにキャラクターの服や髪の動きに、作用・反作用、等速直線運動、摩擦、重力といった物理が使われていることを紹介した。生徒からは、「そんなところに使っているのか!」「なるほど!」と驚きの声が上がった。
ゴルフゲームをやってみよう!
授業の後半では、生徒が今までの物理の学習を活かし、ゴルフボールの軌道を考える設問を解いた。「氷上編」「クラブの重さ2倍編」「宇宙編」「バンカー編」といった、さまざまな状況でのゴルフボールの軌跡を考えた。生徒が考えた数値を打ち込み、Flash教材で実際にキャラクターを動かして正解を確認。予想していたようにゴルフボールが動かないことも何度かあり、試行錯誤しながら問題に取り組む生徒の姿が見られた。
また、授業の最後には、実際のゲームのプログラマーがビデオで登場し、ゲーム制作には中学校や高校の数学・物理がとても役に立っていることを紹介した。