ソフトバンクモバイル株式会社 「考えよう、ケータイ」
「“教える”というより“自分たちで考える”というスタンスの授業の組み立ては、児童・生徒が主体的に関わることができる。できれば保護者も参観して一緒に考える機会になるとよい」
研修会で「考えよう、ケータイ」を用いた授業を体験した教師の声だ。ソフトバンクモバイル株式会社とNPO法人企業教育研究会が共同で開発した「考えよう、ケータイ」は、学校の授業において、携帯電話の使用ルールやマナーを学ぶことができる教材パッケージを、無料で提供するプログラム。2008年12月から希望する全国の小中学校を対象に無料配布を開始している。2009年度は教材の無料配布に加えて、教師向け研修会を開催したり、各自治体の教育委員会主催の研修会において模擬授業を行うなど、広く活動を行っている。
主体的に考え、自らが気づく
教材は2つのテーマで構成されている。メールやその依存性について考える「人間関係編」と、インターネット上で個人情報や書き込みを公開することによるトラブルについて考える「情報発信編」である。いずれも携帯電話や情報モラルに関する知識を一方的に教え込むのではなく、リアリティのあるドラマ仕立ての映像教材をもとに問題提起をし、児童・生徒自身がそれらの問題点について話し合い、自らのこととして置き換えてドラマの主人公にアドバイスをする構成。携帯電話やインターネットの利用について主体的に学び、自ら気づいていく展開になっている。
児童・生徒の目線で考える体験型の研修会
研修では、参加する教師が児童・生徒役になって模擬授業を体験。問題点や今後の対応策について生徒の目線で考え、参加者同士で意見交換をするなど、授業で実践する方法を体験する参加型の研修だ。
道徳や総合的な学習の時間、授業参観や保護者会での実施など、どこに位置づけた授業実践が可能かといった具体的な紹介も行われる。その場で教材を受け取ることも可能。翌日からでもすぐに授業で実践できる構成となっている。リアリティのあるドラマが、子どもたちを引きつけ、一緒に考えるということを可能にしており、「映像がリアリティにあふれていて、自分と重ねて考えることができる。改めて問題点を箇条書きしてみると気づくことが多い」「問題点や今後のつき合い方を“子どもたちに気づかせる”コンセプトの授業なので、ぜひ学校で取り入れてみたい」と参加者からも声があがっている。