地域の課題をみつけて、解決しよう!
千葉市にある西千葉駅前の「ゆりの木商店街」で、2010年8月19~21日の3日間、「西千葉子ども起業塾」が行われた。
この「西千葉子ども起業塾」は千葉市と千葉大学が連携して開催。千葉市の子どもたちの起業家精神を喚起・涵養し、将来の産業振興を担う人材を育成することをねらいとしている。
社会起業家の発想で商店街を活性化
「西千葉子ども起業塾」は、西千葉にある「ゆりの木商店街」で毎月行われる「第三土曜市」を盛り上げるために、子どもたちに課題を見つけてもらい、課題解決のために起業するという形で行った。
1日目には、「第三土曜市」が行われる会場周辺でのフィールドワーク、その際の問題意識からグル―プ分け、事業計画書の作成を行った。2日目は事業実施に向けた準備、3日目は「第三土曜市」でそれぞれの事業を実施。
子ども達は4社に分かれて模擬通貨(ベア、1ベア=1円で計算)を使って活動を行った。フィールドワークを通して、「第三土曜市」の開催場所周辺が汚いと考えた子どもたちは、アドバイザーとして参加した起業家のアドバイスを取り入れ、来場者に花を植えてもらう活動を行った。
この他には、「暑い」や「寂しい」という問題意識から、うちわに広告を載せて配布する会社、打ち水の発想をもとに水鉄砲で射的を行う会社、集客をねらいサッカーボウリングを行う会社が立ちあがった。すべての班が「第三土曜市」を運営している責任者(西千葉出身の起業家)と成果報酬の契約を結び、結果黒字で活動を終えた。
BtoB型のビジネスを体験
これまでのアントレプレナーシップ教育等のプログラムでは、一般的にBtoCと言われるビジネス形態である「出店・商品販売型」が多い。
しかし、これらのプログラムでは①子どものお店だからと大人が甘く接してしまうこと、②子どもの関心が利益を出すことのみに注がれてしまうことという2つの課題が予想された。
そのため、本プログラムでは、BtoBのビジネス形態を取り入れ、「第三土曜市」の責任者と契約するという形式をとった。これにより、子どもたちが安易な販売競争や利己的な販売を抑制した上で、会社の仕組みを学ぶことが可能となっている。
また、子どもたちが、地域社会の活性化に貢献しているという、達成感、やりがいを感じやすく、地域にも受け入れやすい事業となっている。契約内容は各班異なるものであったが、例えば来場者に花を植えてもらう会社では1苗植える模擬通貨800ベアという契約内容だった。