読売新聞東京本社の「言語技術教育プログラム」
「今日はみなさんに新聞記者になって、インタビューをしてもらいます」。本物の新聞記者の話を真剣に聞く子どもたち。「難しそうだけど、やってみたい!」
言語技術教育プログラム
千葉県印旛郡本埜村にある本埜第二小学校の6年生が、本物の新聞記者から、取材や記事づくりのコツを教わった。この授業は、読売新聞東京本社の教育貢献活動の一環として行われ、千葉大学教育学部のNPO法人「企業教育研究会」との協力でつくられたものだ。言語技術教育プログラムとして、「聞くこと」、「書くこと」の基本をプロから学び、身に付けるというのが目的である。(1)インタビューをしよう(2)新聞記事を書こう(3)見出しをつけよう、の構成となっており、その1回目の授業の様子だ。
プロが教えるインタビューのコツ
講師は、読売新聞東京本社教育支援部の岡部匡志氏が務め、NPOスタッフと一緒に授業が進められた。授業では、岡部氏のほかに、社会部、編集部などで働く人がビデオで紹介され、子どもたちに取材や記事つくりのコツを伝えていく。新聞に関するプロに教わるということで、子どもたちも気合が入っている。
「メモを取るときはキーワードだけを書こう」、「取材前に相手のことを調べておこう」。取材の極意が話されるたびに、真剣に聞き入ったり、質問したりする子どもたち。要領をつかんでいき、記者になるための準備を進めていった。
授業も後半になるといよいよ取材が始まり、子どもたち授業に参加したNPOの学生に次々と質問していく。1人の学生に4人の子ども記者が付き、1人の取材時間は3分間。「その美容を保つ秘訣はありますか、普段は何を食べていますか」、「嫌いな教科は理科だそうですが、何故ですか。何か嫌いになる思い出がありますか」など、より良い記事になるよう、何度も質問の工夫を行い、取材をしていく。懸命にメモを取る姿はまさに記者そのもの。鋭い質問をいくつも重ね、たくさんの情報を聞き出した。
1回目の授業を終えた子どもたちは「知らないことをいっぱい知ることができて楽しかった」、「もっとたくさんインタビューをしたい」と満足気の様子。また、同校の古谷成司教諭も「今回の単元は授業でも取り上げるものだが、今日のように学校で習ったことを、仕事で使う方に出会い話を聞くことで、日頃の学習が世の中の仕事に生かせるのだということを知ることができました。こういった取り組みを、ぜひこれからも続けていってほしいです。」と今回の取り組みを評価した。
全国展開を視野に
講師を務めた岡部氏は「子どもたちがどこまでできるか不安もありましたが、予想以上に積極的で、理解も早く驚きました。これからもいろいろなところでぜひ実践していきたいですね。こういった活動が学校現場でどのくらい受け入れられるかが今後のポイントになると思いますが、積極的にやっていこうと思います」と語った。読売新聞東京本社としては、今後も授業実施を行い、全国の小学校に活動を広めていく予定だ。